メンタルヘルス 虐待

毒親は子どもの脳を変形させる?~謎の生きづらさの原因~

さとう
こんにちは!さとうです。
さとう
私は、正社員として会社に勤務しています。しかし、現在は気分変調症の為休職中です。

 

現在の会社に入社してから、休職する直前まで福祉関連部署で働いていました。

今回は、仕事で得た知識と、私自身の実体験を基に、「家庭環境とメンタルヘルスの関係性」

についてお話したいと思います。

 

こんな方におすすめ

  • 幼少期に両親からの虐待があった
  • 現在、メンタル疾患を抱えている
  • 謎の生きづらさに苛まれている

この記事を読めば

 

自己理解が深まり、自分らしく生きる将来に一歩近づく事が出来るかもしれません。

 

 

著書「子どもの脳を傷つける親たち」との出会い

 

 

 

私の職場には、福祉関連の本がたくさん置かれています。

私が出会った、友田明美さんの著書「子どもの脳を傷つける親たち」もたくさんある本のうちの1冊です。

お昼休みにちまちまと読み進めていたんですけど、この本の内容がまあ私に当てはまるんですよね。

 

本の大きさは、文庫本サイズ、厚みは1センチ弱なので、そこまで重たいボリュームではなく、

なかなか難しい内容ですが気軽に読む事が出来ます。

 

私はこの本を読んだことで、自己理解が深まり、自分らしく生きる将来に一歩近づく事が出来たと思っています。

いくつかの章に分け、この本の内容を噛み砕いて皆さんへフィードバックできたらと思います。

 

「虐待」よりも広い意味を持つ「マルトリートメント」

この著書の中では、何回も「マルトリートメント」という言葉が出てきます。

 

さとう
マルトリートメントってなに??初めて聞いた。

 

マルトリートメントとは…?

マルトリートメントとは、『避けるべき子育て』を指します。1980年代からアメリカなどで広まった表現で、日本語で「不適切な養育」と訳され、子どもの健全な発育を妨げるとされています。

引用:公益財団法人 母子健康協会HPより (https://jp.glico.com/boshi/futaba/no83/con01_01.html)

 

私も、この本を読んで「マルトリートメント」という言葉を初めて知りました。

 

さとう
英語で、マル(不適切な) + トリートメント(養育) = マルトリートメント(不適切な養育) という意味なんだね。

 

さとう
でも、そうすると「虐待」と「マルトリートメント」って何が違うの??

 

私が本を読んだ印象から、

「虐待」 = 極端にひどい暴力やネグレクト

「マルトリートメント」 = 日常的に起こりうる、子どもに対する不適切な対応

 

と捉えています。

 

さとう
意味はほとんど同じだけど、テレビで報道されているようなケースが「虐待」。虐待とまでは言えないけど、不適切とするのが「マルトリートメント」という事か…

 

具体的には、

・子どもの目の前で夫婦喧嘩をする。

・話をしっかり聞いてあげない(スマホを見ながら流し聞きする)。

・「しつけ」と称して脅す、たたく。

などが挙げられます。

 

著者の友田明美先生いわく、これらのマルトリートメントは子どもの脳の発達や精神状態に影響を与えるというのです。

 

マルトリートメントが子どもの脳に与える影響

皆さんが日頃抱える生きづらさってどんなものがあるでしょうか?

例えば私なんかは、

・相手の話している言葉がうまく聞き取れない。

・会話の途中で別の思考に入り込んでしまう。

・思っていることを口に出すのが難しい、なぜか頭の中で考えている言葉と全然違う言葉が出てくる。

・全体的に無気力で活気がない。

・書類のミスや違和感に気付けない(微妙なフォントの大きさや字体の違いなど)。

なんて事を感じています。

 

でもこれが、マルトリートメントによる脳への影響が原因だとしたら…?

これまで感じていた、ほとんどの生きづらさに合点がいくわけです。

 

実際にこの著書の中では、

・体罰によって、記憶をつかさどる前頭前野が小さくなったために恐怖心を感じやすくなる。

・集中力や意思決定、共感に関係する右前帯状回という箇所が減少し、うつ病リスクが高まる。

・「痛み」を伝える大脳皮質の神経回路が細くなる。

・両親の喧嘩を見聞きする事により聴覚野が複雑に肥大化する。

 

など、様々な脳への影響が挙げられています。

痛みを感じないようにしたり、怒鳴り声を聞こえにくくしたり、

保護者から受けるあらゆるマルトリートメントに適応するため、脳が変形するのだそうです。

 

私自身、両親の激しい喧嘩を日常的に目の当たりにし、

泣き叫びながら必死に喧嘩を止めに入っていました。

その為、この著書でいうところの聴覚野への影響について、

かなり腑に落ちるところがありました。

友人と話をしていて、又は仕事中に上司と話をしていて、

なぜだか会話が聞き取りにくいんですよね。

聴力は問題ないんですよ、音はよく聞こえます。

ですが、話し声を聞くとなると音がかき消されるようになって何だか聞き取れない。

その謎がこの本を読むことで解消されました。

自分を守るために、私の脳も必死だったんだなぁと今となっては思います。

 

変形した脳は治るのか

ここまで、親からの虐待やマルトリートメントによる脳への影響を書いてきました。

 

ところで、この親からの影響によって変形してしまった脳って一生治らないのでしょうか?

その疑問にもしっかりと友田先生は答えてくれています。

 

著書によると、最近の脳科学研究では、

子どもだけでなく成人の脳においても回復の可能性がある事が分かってきているそうです。

オランダのフロリス博士による研究報告で、

慢性疲労症候群の成人に対して行われた認知行動療法によって、

減少していた前帯状回の容積に回復が見られたそうです。

 

また、今回この著書を読んでマルトリートメントの事を改めて自分でも調べたのですが、

以下のように書かれているサイトを見つけました。

参考

子どものころに急成長する脳。
何歳位で、人の脳が成熟のプロセスを終えると思いますか?

15歳? 20歳? 25歳?

違います。

30歳頃になってようやく、前頭前野が成熟のプロセスを終えます。前頭前野は人の脳で一番大事なところ、人の心があるところともいわれているところです。4歳頃で95%まで成長したあと、時間をかけて30歳で成熟のプロセスを終える。

実は、これって人間の脳のすぐれたところなのです。なぜなら20代までは失敗しても大丈夫という仕組みを脳がもっているということです。どうぞ、安心して失敗してください。「えっ、もう30代こえてるんだけど!」と、心配しているそこのあなた、朗報です。

人の脳がすごいのは、神経回路の修復をしてくることです。もしかしたらちょっと時間はかかるかもしれませんが、修復します。安心してください。

引用:くらしスタイル研究所(https://osoujihonpo.com/lab/kids/post-2053/)原園 早苗氏 監修

 

すごいですよね。

つくづく、人間ってすごくよくできているんだなぁと感じましたし、

私たちが、自分自身と向き合うことをあきらめなければ、何歳からでもやり直しって出来るんだなぁと、

このサイトを目にした時にすごく勇気づけられたことを覚えています。

 

 

おわりに

今回、たまたま職場においてあった1冊の本から、

私が得られた知識についてつらつらと書いてきましたが、

皆さんの共感できるような内容はありましたでしょうか。

私自身、この1冊で謎の生きづらさの原因の一つが解明され、

自己理解が深まり、こころなしか気持ちが軽くなったなぁという気がしています。

この体験を少しでも多くの方にしていただきたくて今回こうして文字に残そうと思いました。

何か少しでも、皆さんの生きる力になれていたらと思います。

この本は、書店で購入する以外にkindleでも読む事が出来ますので、気になった方は是非ご一読してみてください。

 

 

 

 

 

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